漢方に親しむ 「半夏厚朴湯 16」

のどに何か詰まっている感じがするとの訴えを聞けば、まずは上部消化管の検査をします。食道がんなどの怖い病気が隠れているかもしれないからです。しかし検査で何の異常もないのにのどに何か引っかかっていると訴える方もおられます。そのような時は気のめぐりが滞っていると考えて、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を処方します。約30年前に、私が漢方を少し真面目に勉強するようになったのも、半夏厚朴湯が著効を示した方と出会ったからです。

神経症的な人に見られる、のどの詰まった感じというのはヒステリー球とも呼ばれます。漢方の言葉では咽中炙臠(いんちゅうしゃれん:炙った肉の小片がのどに詰まっているような状態)とか梅核気(ばいかくき:梅の種がのどに引っ掛かったような状態)などと呼びます。ストレスをため込んで気が廻らない状況(気滞)を示す症状ととらえます。おなかが張るなどというのも気滞を示していることがあります。

《保険適応病名》

気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症 : 不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症。

《処方生薬構成暗記語呂合わせ》 半夏(はんげ)厚朴(こうぼく)生姜(しょうきょう)茯苓(ぶくりょう)紫蘇葉(しそよう)

◎ 反抗するなら勝負しよう

いろいろと反(半夏)抗(厚朴)するなら、この際勝(生姜)負(茯苓)しよう(紫蘇葉)じゃないか。

のどに違和感があって続く咳とか、しゃべっているとすぐにのどが乾燥してしゃべりにくくなるとかいう時に効果があったりします。私は、講演などで少し長くしゃべらなければならないときなど、お話開始前に一服服用したりします。もちろん正式な病名をつけてもらったうえで処方してもらっています。

コメント

  1. […] 食欲や元気がなくて、しょんぼりくよくよというイメージの方の風邪の引き始めに香蘇散(こうそさん)を使います。香は香附子を示し、蘇は蘇葉を表し、どちらも気の巡りを良くしてうつうつ気分を改善してくれるとされています。適応病名として挙げられているのは、下記のようにわずかですが、胃腸虚弱:お腹が張る、悪心や嘔吐がある、食欲不振その他、神経質:不安、不眠、抑うつ傾向その他、風邪:頭痛、寒気その他、と読みかえていけばかなり適応があります。気の巡りが悪いときには半夏厚朴湯が代表格ですが、虚弱傾向が強い方には香蘇散が合うことがあります。 […]

  2. […] こういう時に使う漢方薬は、半夏厚朴湯です。 […]

  3. […] のどのつかえ感などが目立つ場合には、半夏厚朴湯もいっしょになった茯苓飲合半夏厚朴湯を利用します。 […]

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