漢方に親しむ 「帰脾湯 65」

元気がなくて疲れやすい人で貧血傾向のある時に使うのが、帰脾湯(きひとう)です。不眠、健忘、食欲不振などの訴えも見られます。生薬の遠志(おんじ)は物忘れに効くともされています。これが入っているのはほかには、加味帰脾湯や人参養栄湯があります。竜眼肉も健忘に効くとされています。

帰脾湯に柴胡と山梔子を加えたものが加味帰脾湯(適応:虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症)です。帰脾湯の対象の方で、イライラや胸苦しさなど精神神経系統の失調が目立つような方に処方します。

《保険適応病名》
虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症。

《生薬構成》人参、白朮、甘草、茯苓、大棗、生姜、竜眼肉、黄耆、当帰、酸棗仁(さんそうにん)、遠志(おんじ)、木香(もっこう)

《覚え方》忌避しない君子の仁術に感服し大笑  独眼竜の奥義眠る遠き山荘に恩師 木香る

12種類も生薬があると、語呂合わせもなかなか困難です。竜眼肉と聞いて、独眼竜政宗(伊達政宗を主人公としたNHK大河ドラマ)を思い起こしてしまいました。

忌避しない(帰脾湯)君子の仁(人参)術白朮)に感甘草)服茯苓)し大大棗)笑生姜)、 独眼竜竜眼肉)の奥義黄耆)眠る遠き(当帰)山荘に酸棗仁)恩師遠志)を訪ねた。あたりでは木香る(木香)

 

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