漢方に親しむ 「柴胡桂枝湯 10」

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)は生薬の構成が、小柴胡湯と桂枝湯を合わせたものになっています。風邪のひどい時期は過ぎているのに、まだ頭痛や寒気があるというような人に使います。また、不安や不眠などを訴えるような人に使ったりもします。保険適応病名はある程度限られていますが、応用範囲が広い処方だと感じています。

生薬の柴胡(さいこ)が入っている処方を柴胡剤と呼びます。柴胡には抗炎症作用、抗アレルギー作用、などとともに中枢抑制作用(鎮静・鎮咳・鎮痛・解熱など)や抗ストレス作用があるとされています。柴胡とpsycho(さいこ)とが同じ音というのも面白いなと思っています。

《保険適応病名》

発熱汗出て、悪寒し、身体痛み、頭痛、はきけのあるものの次の諸症:
感冒、流感、肺炎、肺結核などの熱性疾患、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆のう炎、胆石、肝機能障害、膵臓炎などの心下部緊張疼痛。

生薬構成柴胡、半夏、黄芩、人参、甘草、大棗、生姜、桂皮、芍薬

下線部分が小柴胡湯の構成生薬。太字部分が桂枝湯の構成生薬です。

小柴胡湯の構成生薬を覚えておけば、

柴胡+桂枝湯 ⇒ 小柴胡湯+桂(桂皮)枝(芍薬)となります。

 

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