気がつかないうちに体が冷えきってしまっている現代人

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現代人は昔の人に比べて一般的に体を動かすことが少なくなっています。また冷蔵庫の発達などで食べるものも冷やしたものをとることが多くなってきました。そんなこともあってか冷えのために体調を崩している人が増えていると言われています。

冷えている人と言うのは、顔色が悪く、冷房が苦手で、お風呂が大好きと言うようなイメージが普通だと思います。ところが顔色も良く元気そうに見えて、実は冷えが原因で体調を崩していると言う人もおられます。体全体が冷えているわけではなく、部分的に冷えている、あるいは表面的には暖かそうでも体の中心が冷えているというわけです。そういうときには冷えの存在をなかなか見抜けないこともあります。

新陳代謝が落ちてしまっていては、なかなか体も温まりません。新陳代謝が落ちている体は防衛反応が十分に働かないので、様々なストレスに対抗できなくなっています。そういう時は、しっかり温めて、力を補ってくれる処方、体の内部(裏)を温めてくれる温裏剤という処方を使うと体調が良くなってきます。

新陳代謝を高めてくれる代表的処方は真武湯(しんぶとう)になります。含まれている生姜や附子が体の中から温めてくれます。また茯苓や蒼朮が水の代謝も良くしてくれます。

真武湯は,甘草を含んでいないので、使いやすい処方です。西洋薬との併 用も、安心して行える場合が多いです。新陳代謝が落ちていて体の中が冷えている人に広く使えます。低体温傾向、手足・身体が冷えている、体調不良や倦怠感を訴える、ふらつく。 むくみが出て下半身が重だるい、内臓下垂傾向などがみられると、真武湯を選択肢にあげます。その他,自律神経失調症・起立性調節障害・低血圧・足や指先の痺れなどにも利用することがあります。

例を挙げてみます。夕方になると足がむくんでパンパンになるということで受診された30台の女性です。中肉中背で見た目は元気で暖かそうでした。しかし、岩盤浴に行っても汗をかかないとのこと。診察の結果、冷え、水滞、瘀血があると判断したのでまずは当帰芍薬散を2週間ほど試していただきました。むくみは少し良くなって、仕事が終わったとき穿くパンツが楽になったとのことですが、やはり体を動かしても汗はかかないし、実は昔からずっと下痢が続いているとのこと。見た目以上に体の奥から冷えている、裏寒の状態が強いわけですね。そこで、当帰芍薬散は継続しつつ、真武湯を追加することとして4週間服用していただいたところ、汗をかき始め、お腹の調子も良くなって便が固まってきましたと嬉しそう。きっとさらに体調は良くなると思います。もちろん体の基礎体力がついて体調が良くなってくると、別の気になる症状が前面に出てきて、他の処方が必要となる場面も出てくるかもしれません。

冷えは万病のもととなる可能性があります。冷えを改善する漢方薬はいくつもありますが、西洋薬には冷えにたいするものはありません。冷え性かもしれないと思ったら、漢方薬をためしてみましょう。

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