低血圧?と思う症状に使う漢方薬

医療

高血圧の治療はよくされていますが、低血圧で治療が必要となるという事は少ないと思います。ただし神経疾患などで血圧が非常に不安定で、ひどい起立性低血圧があるといった場合には西洋薬を使うことがあります。西洋薬が必要となるような低血圧は別としてめまい、ふらつき、頭が重い、立ちくらみ、脱力感などの訴えという、低血圧に関係がありそうな症状があるときには漢方薬を利用するのも一つの手です。

漢方的な見方でいえば、おおきく三つの視点から考えることができます。水の代謝が乱れている「水毒(すいどく)」、生命エネルギーが足りない「気虚(ききょ)」、加齢に伴う元気低下「腎虚(じんきょ)」の三つです。

水毒の場合

水のバランスが崩れているなぁと考えるときには、利水剤と呼ばれる漢方薬の中から選んできます。真武湯(しんぶとう)は体が弱っており、新陳代謝が低下して冷えがあり、便がいつもやわらかめといった方に使います。新陳代謝を高めて体をあたため、水バランスをととのえ、血液循環を良くしてくれます。ふらついてなんだかまっすぐ歩けないという症状を改善してくれます。半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)は、胃腸虚弱があり、起立性低血圧でめまいなどが起きる方に使います。人参と黄耆で元気をつけ、全身の水分バランスを整え、消化管の機能も高めてくれます。

気虚の場合

心身ともに元気がないときには、補剤と呼ばれるものを使います。補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、消化機能が低下し、全身倦怠感があり、生理機能が低下している方に使います。元気づけの代表生薬である、人参と黄耆が多く含まれており、低血圧に関係する症状を改善させます。心身ともに状態が落ちているようなときには、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)を考えます。気持ちにも体にもエネルギーチャージをしてくれ、肌の乾燥なども改善してくれます。さらに不眠などの精神症状や咳などの呼吸器症状を伴うのなら、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などもよいと思います。なお、必ずしも低血圧とは関係ないのですが、立ちくらみという症状に対しては、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)をよく使います。

腎虚の場合

加齢現象のひとつとして低血圧もあるような場合なら、腎を元気にする補腎剤と呼ばれるものを考慮します。下半身の脱力、倦怠感、しびれ、夜間頻尿などがあり、下腹部の力が弱くなっているようならば、低血圧に限らず、正常血圧でも高血圧でも使用します。代表製剤は八味地黄丸(はちみじおうがん)です。

こうやって見てくると、低血圧に対して漢方薬を使うといった場合、低血圧を治す薬として考えているわけではなく、心身の調子をととのえることを考えていることが分かります。その結果として低血圧傾向が改善することもありますが、血圧はそのままでも気になる症状が改善するということもあります。症状が無くなれば、普通に生活をしている人にとって血圧を正常と呼ばれる範囲にする必要はないと思います。

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