表があれば裏もある

漢方

 漢方でも表裏(ひょうり)というものを考えます。字の通り、表は皮膚などの体表面に近い場所をあらわし、裏というのは体の奥深く特に消化管あたりを指す言葉とされています。この表裏というのは風邪など急に熱が出たりする病気の自然経過から考えられたものとされています。皆さんも経験がありますが、風邪をひくと最初はあたまやのどが痛かったりと表面近くに症状が現れますが、だんだん体の奥深くに入っていき口がにがくなったり胸のあたりが苦しくなったりというような症状が出てきます。そこで治らずにもっとひどくなると奥深くに入っていきお腹がはったり、下痢をしたりと言う消化器症状が前面に出てくるといった具合ですね。急性期疾患に限らず、外からやって来る病因はまず外側から犯してくる場合が多いとは言えるのかもしれません。

また漢方では半表半裏(はんぴょうはんり)と言う表現もあります。いったいそれはどこなんだと言う感じですよね。イメージとすれば鳩尾のあたりなんて言う人もいるのですか、裏、表、半表半裏、それぞれの場所で現れるとされる症状から自分なりにイメージするしかないですね。

表の症状:頭痛、悪寒、発熱、項背部のこわばりや痛み、関節痛、筋肉痛など。

裏の症状:下痢や便秘、お腹がはる、意識状態や認識能がおかしくなる(せん妄)など。

半表半裏:咳が出る、胸が苦しい、胸痛、吐き気や嘔吐、水落ちや季肋部の痛み、口が苦いなど。

いかがでしょうか。なんとなくイメージができますか。

私の場合、普段の臨床では、病期、漢方で言う六病位を考えるときに少し表裏のことを考えることが多いです。ただ、例えば汗をかくという訴えがあれば、表が弱っていているのか、裏に熱がこもっているのか、なんてことを考えることもあります。

表裏も含め、いろいろな漢方的な指標を頭に浮かべながら、患者さんの訴え、表情、体の動き、お腹の所見、脈の具合、舌の形や色などを総合的に考えて、まずはこれでいこうなんて具合にやっているわけです。

 

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