自律神経失調症と言われたことはありませんか?

医療

 外科の外来にこられた方も、私が漢方診療も行なっている事を知ると、外科とは関係ないと思いますが、と前置きをして、「実はいろいろ体調が悪くて内科にかかったら、自立神経失調症と言われたんですよ。」などと語ってくださいます。自律神経失調症と診断した医師は、対症療法的に数種類の薬を処方してくれます。症状が多岐にわたる場合も多いので、それに合わせて薬の種類が増えてしまうわけです。それで調子が良くなれば良いのですが、そうならない方も多いのではないかと思います。自律神経失調症と診断した時点で、西洋医学的には原因はわからないと宣言しているようなものだと考えても良いかもしれません。言葉は悪いのですが、よくわからないからこの診断名にしておこうという診断を「ゴミ箱診断」なんて呼ぶ人もいます。自律神経失調症という診断名もそのようなイメージが強いです。そんな時には、漢方医学の出番です。

 漢方医学は基本的に心身一如と考えます。この考え方は西洋医学の中では心療内科に見られると思いますが、心と体が一体であるという考え方で診療してきた歴史が違いますね。漢方はさかのぼれば2000年近くの歴史があるのに対して、心療内科はこの6〜70年といったところですからね。

 漢方診療では、自律神経失調症といわれる症状を訴える方に対して、症状や体質に沿って状態を観察し、対応する処方を選んでいきますから、気になる症状を少しずつ改善できる可能性があります。もちろん自律神経失調症と言われた方は、症状が多彩であることも少なくありません。それらを一気に良くするのは難しい場合も多いですから、患者も医師も気長に体調を良くしていく必要があります。

 漢方では「気」という概念が大切にします。気は生命エネルギーと考えるのがわかりやすいと思うのですが、なにせ目に見えないものですから、想像力が大切です。この気によって、血と水を動かし、心身をコントロールしているので、気・血・水のバランスが崩れた時に、体調も悪くなると考えます。このバランスがどのように崩れているかを考え、少しでもバランスを整えていくにはどの処方が適しているかを考えていくわけです。自律神経失調症と言われる方の場合も、このような見方で症状を読み解いていくと、その方にあった漢方処方が見つかっていきます。

 ご自分の体調が悪いとき、自身の体自体をチェックすることも大切ですが、心を通して見つめなおすことも必要です。特にストレスの多い現代においては、その視点は重要だと思います。漢方をもっと身近に感じて、自分自身を見つめなおすのも良いのではないでしょうか。

 では今日も良い日をお過ごしください。

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