漢方に親しむ 「苓桂朮甘湯 39」

胸やみぞおちに水分がたまっているような感じがし、めまいやふらつきを訴える方に苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を処方します。立ち眩みを訴える方にも有効なことがあります。漢方を希望する方はいろいろ治療を受けた後に何とかならないかとやってくることが多いもので、経過が長い方にはまずこれから開始してみます。ただし経過が長くても、脳外科や神経内科を受診したことがないような方は、一度は受診するようにお勧めします。

漢方ではめまいがあると水のバランスが崩れている場合があると考えますが、この処方にも蒼朮や茯苓といった水をさばいてくれる生薬が含まれています。またのぼせをおさえてくれる桂皮も含まれていますから、なんだか上がってくる感じも押さえてくれるのだと思います。

《保険適応病名》
めまい、ふらつきがあり、または動悸があり尿量が減少するものの次の諸症
:神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛。

《生薬構成》茯苓、桂皮、蒼朮、甘草

《覚え方》名前の通り、苓(茯苓)桂(桂皮)朮(蒼朮)甘(甘草)湯です。

めまいに使う漢方薬はいろいろあります。めまい以外の症状も併せて考える必要があります。ちなみに小児のめまいの第一選択は五苓散だと思います。

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