漢方に親しむ 「大建中湯 100」

漢方のことを知らなくても、消化器外科医の多くが処方経験のあるのが大建中湯(だいけんちゅうとう)です。開腹手術後は腸管の癒着がお腹の中で起こります。するとそのくっついたところを軸に腸が捻じれて通行止めになることがあります。腸閉塞です。こういう時に使われるのがこの大建中湯です。本来はお腹が冷えて痛む人で、やせており、腸がぐるぐる動くのがお腹の上から見えるような人に使うことになっています。この状況がイレウス(腸閉塞)の状態と類似していることから使われるようになり、実際に著効を示すことがあります。またイレウスの傾向がある人には普段から使っていると予防にもなるようです。

近年ではお腹の中の手術の多くは腹腔鏡下にできるようになりました。すると開腹手術に比べて癒着が軽微なことが多くなりました。しかしどこか一か所でも癒着があり、そこを中心として腸が捻じれたり、癒着でできた輪の中に腸が入り込んだりすればイレウスになってしまいます。イレウスになれば常に手術を念頭に置いて治療を行うことになります。大建中湯はお守りといったところでしょうか。

イレウス以外では、お腹が冷えて調子を崩しているような人に使うことになります。便をだすような生薬は入っていませんが、温めることにより腸の動きを整えてくれるのか、寝たきりの高齢者で便秘が改善したりします。

《保険適応病名》 腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるもの。

《生薬構成》 山椒(さんしょ)人参(にんじん)膠飴(こうい)乾姜(かんきょう)

◎ 大検中退(大建中湯) 職(山椒)人(人参)の  好意(膠飴)に感興(乾姜) 

頑張って大検を受け入試に通って大学生となったけど中退。大工の職人さんが見かねて雇ってくれて今頑張っている。そんな好意に感興

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