暑さにやられたなと思ったら

今年も酷暑の予想が出ています。体感的にも数十年前の夏より暑さが厳しいと思う方が多いのではないでしょうか。貝原益軒は、四季の中で夏が最も注意深く養生する必要があると述べています。暑さから逃れようと、クーラーに長くあたったり、冷たいものを多く飲食したりは避ける必要があります。逆に温かいものを食べて、消化管を温めてあげたほうが太陽維持には望ましいと思います。
夏バテといえば、体がだるくなり、疲れが取れないといことがあると思います。このような時には、補中益気湯、清暑益気湯などをまず試すことになります。食欲低下が目立つようなら六君子湯が第一選択でしょうか。消化管を整え、元気をつけることを目標とします。
クーラーにやられたというときには、五積散。上半身より下半身の冷えが強く、腰痛や胃腸の調子が悪くなったりするときに使います。麻黄附子細辛湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯なども選択肢に挙がってきます。
夏の暑さで体調を崩した場合も、どのような体質の人がどのような状況でどういう症状を訴えているかによって、選択する処方は変わってきます。必ずしも代表的な処方でうまくいくとは限らないのが、漢方薬治療のむつかしいところであり、面白いところです。患者と医師が協力してその人に合った処方を見つけていく必要があります。

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