疲れたなぁ・・・と思ったら

◎日常生活で疲れを感じることは多いと思います。倦怠感が続く方や普段は元気だけどここの所休む暇もなくて疲れたという方など、一度補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を試してみてください。頓服として使っても効果があることがあります。疲れが抜けないという時はしばらく継続的に服用していると、疲れに伴う他の症状まで改善することがあります。
◎補中益気湯を使う目標として昔から言われているのは、手足がだるくて動かすのが億劫、しゃべり方に元気がなく声が小さい、眼力が乏しくなんだかトロっとしている、口の端に白く泡のように唾がたまっている、味覚が落ちて食事がおいしくない、暖かいものを好む、臍のあたりに動悸を触れる、 脈を触れると勢いがないなどです。とにかく疲れというキーワードで試してみて良い処方だと思います。
◎補中益気湯で効果が実感できないときや、貧血傾向があるような時には十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)がよいかもしれません。皮膚の乾燥傾向があるような時もよいでしょう。
◎漢方薬には体にたまって多すぎるものは体の外に出す(瀉す)、足りないものは補うという考え方があります。元気をつける処方は補ってあげるもので、補剤と総称されます。補剤には、上記2剤以外にも、人参養栄湯、六君子湯、八味地黄丸その他があります。気長に服用しているうちに、疲れても回復が早くなった、活動性が高くなった、風邪をひきにくくなったなど体全体の調子を良くしてくれることがあります。
◎漢方薬はお薬ですが、食事の延長という面もあります。足りないものを補ってあげて、限られた人生を、一日でも多く元気に送っていきたいですね。

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