漢方に親しむ 「人参養栄湯 108」

年を取ってくると心身の衰えを感じるようになってきます。気力がなくなり、認知機能が落ち、運動機能が衰えてきます。そうなると、引きこもりがちになり、日常生活で困難な面が出てくるようになったりします。年齢に伴う心身の衰えをフレイルと呼ぶことが増えてきましたが、この状態は社会活動への参加、運動や作業で体を動かす、きちっと食べるなどの工夫によって改善できることが分かっています。

フレイルに対して人参養栄湯(にんじんようえいとう)が勧められることが増えてきました。

長患いや加齢に伴う心身の衰えがあり、倦怠感、食欲不振、微熱、咳などがあるときに使う処方です。これに含まれる生薬の遠志(おんじ)には、鎮静・催眠作用、認知機能改善、去痰作用などが報告されています。物忘れの改善効果もあるようです。

保険適応病名

病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血。

《構成生薬》人参、甘草、黄耆(おうぎ)、地黄、当帰、陳皮、白朮、桂皮、茯苓、五味子(ごみし)、遠志(おんじ)、芍薬

《覚え方》虹色  歓喜  地頭の   陳述に  敬服    御恩赦

虹(人参)のように美しいほとけの言葉に歓(甘草)喜(黄耆)している地(地黄)頭(当帰)の陳(陳皮)述(白朮)内容に敬(桂皮)服(茯苓)してご恩(遠志)赦(芍薬)をえることができた

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