漢方に親しむ 「抑肝散 54」

それほど丈夫ではなく、比較的些細なことでいらいら、もやもやという方に処方するのが抑肝散(よくかんさん)。肝のたかぶりはイライラなどの精神神経症状を引き起こすと考えるのですが、それを抑えるという意味で抑肝散。瞼がぴくぴくしたり、少しのことで怒り爆発したり、夜眠れなかったりということもあります。認知症で攻撃的な症状の方に使用することも増えてきているようで、紹介されてくる高齢者の方に処方されている場合も多いです。また、すぐに泣き叫ぶ子供に使うことが多いようですが、そのお母さんもいらいらしていることが多いので、母子同服といて、母子一緒にこの抑肝散を服用してもらうとよいと言われます。

怒りを面に出す人は分かりやすいのですが、内に秘める方も多く、本人がイライラや怒りに気づいてないこともあります。追い立てられるようなストレスの多い現代では、この処方の出番はもっと多いのではないかと思っています。

柴胡が肝の高ぶりを抑え、釣藤鈎が鎮静効果、当帰と川芎で血の巡りを改善し、甘草、蒼朮、茯苓で胃腸を健やかにするとされます。

《保険適応病名》

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症

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《処方語呂合わせ》当帰(とうき)川芎(せんきゅう)釣藤鈎(ちょうとうこう)茯苓(ぶくりょう)甘草(かんぞう)柴胡(さいこ)蒼朮(そうじゅつ)

◎ よく母さん 当選釣り上げたね。 複利完済して述懐。

よく母さん(抑肝散) 当(当帰)選(川芎)釣り(釣藤鈎)上げたね。 複利(茯苓)完(甘草)済(柴胡)して述(蒼朮)懐。

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