漢方に親しむ 「麦門冬湯 29」

かぜ症状は治まったのに、空咳がいつまでも出て止まらない。痰は少ないのだが、なんだか絡んでしまって咳が出る。咳が出始めると連続して出続け、顔がまっ赤になり、吐きそうになる。喉の感想感が強くて咳発作が続く。これらの症状を訴えるとき、麦門冬湯(ばくもんどうとう)の出番となることが多い。いわゆる咳止めの薬の中には、喉の乾燥感が強くなるものもあり、そんな時麦門冬湯を飲むと乾燥感が静まり咳も静まることがある。一方痰がたくさん出るような咳にはこの処方は使わない。

一月近く鎮咳剤を処方されているが、夜にせき込みだすと止まらず、最近は寝不足になっているという相談を受けたことがある。その時は麦門冬湯に小柴胡湯も一緒に処方したが、その日から眠れるようになり、一週間たたずに咳が止まったとのことだった。西洋薬で行き詰ったら、漢方薬を試してみると、いいことがあるかもしれない。

保険適応病名 : 痰のきれにくい咳、気管支炎、気管支ぜんそく。

麦門冬と粳米は気道を潤し咳を鎮め、半夏は去痰と咳止め、人参、甘草、大棗で元気をつける。

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《生薬構成記憶語呂合わせ》麦門冬(ばくもんどう)半夏(はんげ)粳米(こうべい)甘草(かんぞう)人参(にんじん)大棗(たいそう)

 爆問答 反抗 堪忍たい

つぎつぎと問答を仕掛けてくる、爆問答(麦門冬)。反(半夏)抗(粳米)的な態度でどこまでも引き下がらない。いい加減、堪(甘草)忍(人参)たい(大棗)。

コメント

  1. […]  風邪をひいた後などに、いつまでも咳が止まらないということがあります。痰があまりでなくて咳だけが出るような場合を空咳といいますが、気道が乾燥して被刺激性が高まっていることが多いようです。咳止め薬の中には痰を減らすけど、気道を乾燥させることもあり、咳が出だすとなかなか止まらない状況を引き起こすこともあるようです。  そんな空咳の第一選択漢方は麦門冬湯です。これに含まれる麦門冬は滋潤作用といって、気道に湿り気を与えてくれます。ちょっとこじらせているなぁとか少し炎症もあるかなぁというときにはこれに小柴胡湯を合わせることもあります。これであまり効かなければ、咳全般に使いやすい麻杏甘石湯をつかいます。ただしこれは麻黄が入っていますから、狭心症などの心臓疾患を持っている方には使わないほうが良いでしょう。  それほどひどくない空咳で、なんだか喉のあたりが気持ち悪くて咳が出るというときには、半夏厚朴湯が有効なこともあります。  痰が多いような場合は他の漢方薬の出番ですが、まずはしっかりと呼吸器内科医の診療を受けることが大切です。痰が増えているのは急性の感染症なのか、慢性呼吸器疾患に伴う慢性の感染なのかなど痰の原因を探ることが大切です。抗生物質が必要な病態であれば抗生物質による治療が第一です。自己判断でいろいろ漢方薬を試すなどということはしないでください。  漢方薬は、西洋医学的な眼で診て、必要な検査や治療を受けた後に、或いは明らかな原因がないようなときに使うサポーターと思ってください。 […]

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