漢方に親しむ 「小建中湯 99」

胃腸が弱い傾向がある人の整腸剤というイメージで私が処方することが多いのが小建中湯(しょうけんちゅうとう)です。急な腹痛、冷え性、寝汗、神経過敏などの傾向がみられる小児の体質改善と言われますが、大人にも有効です。これを飲むと元気が出てきて、ここの所調子よいから続けて飲みたい、などと言われることもあります。過敏性大腸炎には通常桂枝加芍薬湯が漢方では第一選択とされることが多いですが、小建中湯もなかなか良いのではないかと思っています。

《保険適応病名》

体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、
冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:
小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なき。

試験前とかに緊張するとおなかが痛くなる子供とかいますが、こういう時にも服用させておくと知らないうちに症状が軽減することがあるようです。緊張するとおなかが痛くなる大人にだって使えます。試してみてください。

《生薬構成を覚える語呂合わせ》

桂枝加芍薬湯 + 膠飴(こうい:みずあめ)

コメント

  1. […] 体力がなく、疲れやすく、貧血で冷え性、下腹部や腰の痛みを訴えるというときに、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)を考えます。産後や月経時に痛みを訴える場合も適応です。外科では痔に使うこともあります。他の痔の漢方薬を処方していた人に下腹痛があったのでこれを処方したところ、このほうが痔の調子もよいといわれたことがあります。当帰で血をめぐらせてくれるから内痔核にも良いのでしょう。生薬構成は小建中湯に当帰を加えただけなのに、それぞれが対応する患者さんのイメージは随分と変わります。生薬匙加減の不思議です。 […]