中年の仲間入りをしたかな…と思ったら漢方です

年は取りたくないもんだ、なんて思ってしまうことというのはいろいろな方にあると思います。加齢とともに衰えて行くのは仕方のないことですが、できることならば、この世に生きている間は、少しでもよい体調で過ごしていたいものですね。

もともと、若さ、柔軟性、エネルギー量、活動性、抵抗力などというものには個人差があります。その差が、年齢とともに大きくなってきますよね。そんな個人差も、きちんと考慮にいれたうえで、処方が決まるところが漢方薬の良いところ。うまく取り入れて、健康寿命をのばしたいところです。

最長ここまで生きられるというのが寿命だと考えれば、なにをしても寿命自体を延ばすことはできません。ならば、寿命を縮めるような因子をなるべく取り除いてあげるのが、人生を少しでも長く楽しむために大切なことになります。

あなたはどんなことで、年を感じますか。以下に挙げるようなことに思い当たることがあれば、アンチエイジングの漢方薬を飲み始めても良いかもしれません。

怒りっぽくなった。なんだか精神が不安定。ふだんから涙がでる。筋力がおちた。関節の痛みがある。むくみがある。腰が痛い。夜なんども排尿する。耳鳴りが気になる。などなど、エイジングのサインはいくつもあります。そのサインや体質に応じた漢方薬がきっと見つかるので、医師や薬剤師に相談してみてくださいね。

ちなみに、アンチエイジングの漢方薬として第一に挙げられるのが、八味地黄丸(はちみじおうがん)です。生命エネルギーは、漢方でいう「腎」に蓄えられていると考えます。八味地黄丸は別名腎気丸。腎に蓄えられている気(生命エネルギー)を維持する方向に働いてくれます。八種類の生薬から構成されており、地黄、山薬、山茱萸(サンシュユ)は腎を元気づけ、体に潤いを与えてくれます。沢瀉、茯苓は水のバランスを整え、牡丹皮は血のめぐりを良くしてくれます。附子が体を温めてくれます。しばらく飲んでいるとジワリと効いてくることが多いようです。ただ、生薬の地黄が胃に堪えるという方が時におられます。そのような時は一緒に人参湯を飲んでいただいたり、他の処方を検討したりいたします。

私は最近、手術で長くたっていると、靴下の痕がはっきりくっきりつくようになってきたので、浮腫む傾向が出てきたようです。八味地黄丸に牛膝と車前子が加わった、牛車腎気丸を試し始めました。まだ始めたばかりですが、少しむくみが良くなってきました。さあどうなりますか、楽しみです。

病院に行くのは気が重い、と感じる方がほとんどだとおもいます。でも漢方外来には少し気軽に受診してみてください。病名がつかないけれど、調子が悪いといったところを、手当てしてくれますよ。

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